ABZUをプレイしての感想

海洋探索ゲームである「ABZU」をプレイさせていただいたので忘れないうちに感想を書いておこうと思います。
ネタバレ(というほどのストーリー性はないのですが)は無しの方向で行きますので、これから買おうかなと思っている人の参考になれば幸いです。
「ABZU」の魅力としてあげないわけにはいかないのは、とにもかくにもグラフィックスだと思います。
グラフィックスへの価値観はいろいろですから、「ABZU」の3Dグラフィックスが合う人も合わない人もいるとは思いますし、超リアルという風な感じではないのですがよく作りこまれているという感じがしました。どちらかというとポリゴン数をなるべく削ったローポリ風な感じでしょうか。
プレイ時間も短く、短い時間にすべての努力を入れ込んだという感じがします。
ほかのところのレビューでも言われていることなのですが、ゲーム性やアクション性、謎解き要素というのはかなり薄いです。
これは賛否両論あるかもしれませんが、僕はゲームに時間をかけてレベルアップとかはかなり苦痛な人なのでむしろありがたかったです(笑)。
とにもかくにも、グラフィックス、海洋の疑似体験ということだけに特化したゲームで、ほかのところをすっぱりとそぎ落としています。
そういう意味合いでは最近のゲームとはだいぶ趣の違ったゲームだと思うのです。
ゲームというのはエンターテインメントですから、人を喜ばせてなんぼの世界だと思います。
敵を倒す、何かを手に入れる、街を探索する、レベルアップして成長する、SNSで協力プレイする、お金を手に入れる・・・などなどいろいろと喜ばせるポイントはあると思うのですが、それはある意味ではゲームというものの足かせなのかもしれません。
ゲームとして純粋に海の疑似体験ということだけで勝負している「ABZU」はとても目標と理想の高いゲームなんだと思います。
人が喜ぶ要素を入れることはいくらでもできると思います。
でもそうすることで失うものもあるというのが事実ではないかと思います。
敵を倒すという疑似体験は確かにゲームの一般的でありふれた風景ですが、それはある意味ではゲーム性としてそういう風なシステムを前提としたことをやらなければいけないということを示しているように思います。
例えば、「ワンダと巨像」というゲームでも雑魚敵は出していませんし、それがゲームのユーザーのとってみれば不満な人も多いと思います。
しかし、ゲームの作り手としては画一的に敵を倒すというだけのシステムのルーチンから離れたゲーム作りというものをデメリットも踏まえて作りたかったということなのかなと思います。
そういうことも踏まえて、「ABZU」が作ったゲームの形というのはとても難しいゲーム作りだと思いました。
自分たちのグラフィックスだけで勝負するという意気込みのこもったゲームであり、ゲームユーザーが満足しつつ、かつ迎合しないというのはとても難しいなと思います。
肝心の「ABZU」の内容なのですが、このゲームはさっきから繰り返し書いている通りグラフィックスがきれいなのですが、面白いのはただ単にきれいな海という姿を見せているだけなわけではないことです。
「ABZU」の海は恥ずかしい言い方ですが、きれいで幻想的で恐ろしいところ、でもはかなくて、そして力強いというものなのかなと感じました。
これはすでにプレイ済みの方であればわかってもらえるかもしれません。
ネタバレになってしまいますので詳しくは書きませんが、前半の海は純粋にきれいなものとして描かれることが多いですが、後半からは怖さやはかなさも入ってくるという感じでしょうか。
イメージ的には「Flowery(フラアリー)」の感じでしょうか(プレイしたことがある人にしかわかりませんが(笑))。
「ABZU」というゲームはゲームというよりは芸術作品に近いものだと思います。
ゲームという形をとってはいますが、CGが見せるリアルタイムな描画の芸術作品という感じです。
通常のCG映像は動画という形式をとっているから、ある意味ではクローズドなものですが、「ABZU」はゲームでありますから、リアルタイムに作品をどの角度からでも見えるというのが僕の印象です。
僕の中では本当にお勧めなゲームです。
では(^^)/。

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